*All archives   *Admin

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告  |  EDIT  |  Top↑

2008.05.02 (Fri)

創作もりもりこバトン

オフ友でもあるぽんちゃんから頂きました、創作もりもりこバトンです。すげえネーミングセンスだよな、これ。
そしてぽんちゃんの回答がネ申過ぎて答えにくいっつう…。
ヴェエエ。頑張ります。

今から挙げる言葉に続きを作って下さい
もし時間があればその中で1番気に入ったもので何か執筆(もしくは描写)して下さい

○廃れた街の真ん中で
 仰ぎ見た太陽は何故か青い。いや。あれ。違う。太陽にしては近い。でも目を細めなくては直視できないほどに眩しい。苛烈な光だ。嗚呼。目が痛い。
 目を閉じる。いや。瞼が勝手に落ちたんだ。視界は黒い。世界は暗い。
 喉がひりついて声が出ない。音にもならない。腕の感覚も鈍い。脚に関しては鈍いなんてどころじゃない。力んでみても動く気配はない。痛みはなくてただ倦怠感が支配している。

「おい、」

 上から声が降ってくる。無理くそに瞼を持ち上げる。嗚呼。だるいんだよ俺は。ひどく、疲れてる。
 視界に広がるのは青い太陽。いや。爛々と光る青い目がふたつ。くすんだ金色の髪は日々鏡の向こうで目にするのと、うりふたつな色彩。幼く丸い頬は不機嫌そうに朱で彩られている。

「起きやがれですよ」

 細いばかりで力を持たない脚がやわく脇腹を蹴り上げた。意外な痛さに呻けばざまあみろと唇が動くのを見た。

 廃れた街の真ん中の、薄汚いごみ溜めで。

 何より愛する自国の朝を見た。


<小>ヘ/タ/リ/アより英と海。
英は飲んだくれてその辺りのごみ置き場で一晩過ごした後の朝。前の晩は仏兄と飲んでなんか厭なことがあったらしいよ。
シー君は下のお兄ちゃん(米)より余程空気の読めるいい子なのでこの後、英のケツ叩いて仏兄のところへ追い出します。

 
 
○その涙さえも
 計算なんじゃないか、とか。
 思う自分はかなり汚れてるなと思う。いや。もう生まれたときから真っ黒ですが。それが何か、ってくらいですが。

 やわらかい頬を流れ落ちる透明な液体。

 何故だかひどく甘美に見える。あ。そうですか。それも計算ですか。
 細い指がぐりぐりと涙を拭う。引っ張られる頬が痛そうなくらいに赤い。鼻の頭も真っ赤で、ちょっと間抜けだ。薄い肩がひくりと震えた。
 強い風に濃紺のセーラーカラーが翻る。赤いスカーフもひらり。冬用スカートは重たい音をばさばさと立てた。

「ねえ」

 高く澄んだ少女の声。少し震えている。赤く充血した目が指の隙間から此方を見据えていた。

「偽善ぶんなよ、いいんちょお」

 青空ダイブ。

 真っ黒なあたしの心を真っ白にして、泣きじゃくるあの子の心を真っ赤に染めて!

 (あたしの為に汚れて欲しいなんて、言えなかった卑怯者の妄言)


<小>オリジ。女学生ふたり。
片っぽは委員長。片っぽはいい子悪い子普通の子。
女学生の刹那主義が大好きです。



○最初で最後の
 だと思っていた。
 思っていたというか、確信していたというか、そうであれと祈っていたし、そうであるようにと振舞った。

 それが、それが―――。

 隣りで寝こけるヒゲ面をじとりと睨む。腰に回された腕があたたかくて(それが気持ちいいとか感じてしまって)心底、据わりが悪い。
 ぬるい朝の空気。皺の寄ったシーツの海。

 二度目に酔った勢いは通じないだろ。

 嗚呼! ならばこれは!

 (恋だって言うのかよバカ!)


<小>ヘ/タ/リ/アでぶつえい朝チュン。
ギリスはいいツンデレです。


○愚かな僕は
 日々、一喜一憂です。

 僕は相当なバカらしい。

 ヘマをやって学生で子どもを作って、奥さんの大事さに気づかずに日々を浪費して捨てられた。残されたのはやっと小学校に上がった女の子。しかもかなり奥さんに似てる。ううん。これは僕を責め立てるという、何かのプレイの一種なのか?

「おとうさん!」

 舌ったらずな甘い声。わあ。その呼び方も奥さんそっくり。いやいや。もう既に、元・奥さんなんだけど。え。あれ。でも離婚届なんて書いたっけ?

「もーぉ、おとうさんってば!」

 どすん。と、腰に衝撃。あのね。いつまでも同じサイズな訳じゃないんだから、結構重いんだよ。そしてお父さんもいつまでも若くないんだよ。まあ、同級生のお父さんよりは随分若いんだけど。
 腰にまとわりつく小さな女の子を見下ろす。だから顔がそっくり過ぎるよ。吃驚するよ。何プレイ? 本当、もう。

「おなかすいた!」

 あーもう。ちくしょう。可愛いなー、ちくしょー。
 腰にぎゅうっとしがみつく手の熱さとか、そういうの。ずっと忘れないままいられたならいい。
 いつか君はおとなになるけれど。


<小>オリジ。パパと娘。
記号的に好きすぐる組み合わせ。



○また明日、
 と言わなくなったのは、彼が高校二年生で私が高校一年生の夏の終わり。
 彼が入院をした。
 生来からだの弱い彼は長くは生きられないと言われていた。私も彼も、それは覚悟していた。分かっていたことだから今更、驚くことはなかった。寧ろ驚いていたのは、高校生活の折り返し地点まで、特に何事もなかったことだ。
 白い建物。清潔な廊下。静かな病室。点滴の音さえ響いているような錯覚。
 やわらかな新緑の色の髪が白いシーツに流れている。
 数年前に亡くなった、彼の兄とは異なる真っ直ぐな髪。瓜二つな外見なのに、髪の質は全く違った。
 そろりと指を伸ばして髪を撫でると、蝶が羽を震わせるようにひどく儚げに瞼が震えた。その奥から現れた、やはり美しい新緑の色の目。

「アニス」
「こんにちは」

 少しかすれた声で彼が私の名前を呼ぶ。ひどく優しい響きで泣きたくなるようなあたたかさと清廉さが、私の中を満たして反響する。
 指先に感じる髪の感触。それは一年前と寸分変わらない。素晴らしい艶。少しかたくて冷たい。
 あの頃、一年前。私も彼も変わってしまうことはひどく淋しく、悲しいことだと思っていた。けれど今思うのは、変わらないことが淋しくて苦しい。
 また明日。明日も、彼はチューブに繋がれたまま、ほとんど動きもせずに一日を費やすのだろう。
 透明で清潔な拘束具を引きちぎって逃げてしまおうと、言えるだけの強さも弱さも私にはなかった。


<小>現代パラレルなアニスと二代目イオン(@アビス)
カップリングではない。

 
 
○例えばあの日の僕等が
 というもしもの話に意味はない。
 だって僕等はもう出会ってしまっている、し。
 嗚呼。世界は前途多難だ。神様だとか、未来人だとか、宇宙人だとか、僕等の周りは騒がしすぎる!


<小>ハルヒから古泉一樹。あたし、古泉を表現できるほどに古泉を理解できていないので、これ以上何も書けない。
く、悔しいんだな!



○願わくば
「世界が欲しい」

 言い切った妹(便宜上)に眩暈がした。
 妹は真っ直ぐに此方を見上げる。だらしなくソファに寝そべりながらの姿勢であり、長い髪がばらばらと辺りに散らばっている。

「できればアトランティス。若しくはミュー」

 新大陸を要求するな。荒唐無稽もいいところだ。今更、地政学がどうとか言われても困るぞ。散々、あのおっさんに聞かされて耳にたこができている。だから理解ができていない訳でもない。
 真っ直ぐに、何にも物怖じをしないだろう青い目は自分のそれと全く、寸分違わずに同じ色。肌の色もそうであるのに対し、どうして髪の色だけがこうも違うのかと不思議なくらいだ。
 自分の髪は透ける金。妹の髪は純度の高い黒。
 メラニン色素がどうとか遺伝がどうとか、そういうことを論じても栓はないんだろう。だから何も追求しようとは思わない。

「じゃなきゃ、選民発見の為に狩りでもするか?」
「お前、時期的にも、純粋に内容的にも危ないわ」


<小>ヘ/タ/リ/アより独と第/三/帝/国(オリジ)
すみません。政治的にも、何も考えずにただふたりに話させたかっただけなので、内容を批判されても困るので何も言わないでいてください。

あ。どうでもいいんですが、大陸をミューにするかムーにするかの表記で半ば本気で悩みました。音感的にミューが好きなので、ミューに決定。

 
 
○そしてようやく
 生まれてきたんです。
 安産ですねーと素晴らしい笑顔で助産師さんは言ってくれたけど、おいおいこれで安産かよと心の中で突っ込んだ。泣き叫ぶほど痛かったし、4時間弱のたうち回ったんだぜ、あたし。
 胸の上でうごうごしてるのは真っ赤でまるで猿みたいなしわくちゃしかめっ面。赤ん坊って生まれたては可愛くないなー。白くてすべすべーって訳じゃないんだ。本当に赤い。
 ううん。親の欲目とか、生まれてすぐに身についてる訳じゃないんだな。ちょっと手放しで可愛いとは言えないぜ。

「っあぁぁー」

 間抜けな泣き声。うぎゅうぎゅ言ってる。ああ。どうにかしてあげたいんだけど、あたしもどうにかして欲しいくらいに疲れてる。小っこくてやわっこいのが乗っかってると、ちょっとした身動ぎですら怖くて動けないし。
 ぐったりした体は今すぐ眠りを欲してる。もう、世界の中枢まで落ちたいくらいに眠りたい。
 ああ。でもどうしよう。何か自分のことはどうでもいい気にもなってくる。見た目的な可愛さはないけど、可愛いと思う。
 どたばたと廊下を走る音が聞こえて、次いで分娩室のドアにびたんと何かがぶつかる音。衝撃でたぶんそんなに丈夫でないドアがたわんだ。まあ、古い産院だもんな。
 ごちゃごちゃがたがたと、扉を開けようと奮闘しているみたいだがどうにも開かない。助産師さんが手袋を外して一段落した後に、困ったような笑顔でドアを開ける。
 そして転がり込むように入ってきたのは、泣きそうな顔をした若いサラリーマン。

「っ、あ、あのっ…あのっ!!」

 あーもう。どもり過ぎだ、ばか。畜生。ばかだばかだとは思うものの何だこれ、すげえ愛しいぞ。

「元気な男の子ですー、って」

 疲れてたけど笑ってみせる。泣きそうだった彼の顔がついに、泣き出す。おいおい。お前、どうなんだそれ。
 それでも今日ばかりは許してやろう。

 今日は、大切な家族がひとり増えた素晴らしい日だもの!


<小>オリジ夫妻と長男。
明るい話を書いてみたかったんだぜ!

 
 
○残されたのは、
 昨日と何も変わらない世界だった。
 空は青い。雲は白い。海はやっぱり青。地球は丸い。大地は暖かい。風は清廉。光は苛烈。
 何もかもが昨日とほとんど同じ。一日たりとも同じ日はないとか言うから、たぶん自分の気がつかないところで微細に異なっているんだろうとは思うんだけど。けれどそんなの変化したと大々的に言うほどのことじゃなく、許容の範囲であるだろう。
 土の香りは甘くて苦い。草の匂いはむせ返る。手足は合わせて四本。目はふたつ。
 何もかも、変わったなんて自覚はない。そのくせ何かが違った気がして、頭がぐらぐらする。若しかして重力の一単位が変わったか? 若しくは引力が三倍くらいに。
 頭が重い。ついでに痛い。胸の辺りがひりひりして、どうしたものかと考える。
 世界は何も変わっていない。そして自分だって何も変わったつもりはない。

 切り離して捨てた恋心もどきなんて、気づかないフリをして進んでいきたいのに!


<小>心持ち振りの阿部だったんですけど、もう誰だっていいのかもしれない。

 

○守ると決めた君の手は
 いつの間にか随分と白く、細く、頼りないような見目をしていた。
 いやいや。ちょっと待てよ。そりゃあ顔の造りは童顔と呼ぶにふさわしく、ウン百年生きてるってのに関わらずに見様によってはハイティーンにしか見えないこともない。しかし手の造りはそれを裏切って、白い割りに少しごつくて、もうほとんど可視の限界にまで薄くなった疵が大小様々あった筈じゃないか。
 そんな細く、頼りない、そう頼りないという形容が正しいような手じゃなかった筈だ。守りたいとか頭の悪いことを考えている自分がアホらしいくらいに。
 生まれたばかりのように膝を抱えて小さくなっていた子どもの手とはいつの間にか変わっていた。生涯、守っていこうと思っていた子どもはいつの間にか、この自分の薄汚れた手を振り払って大地を蹂躙し、踏みしめていた。
 真っ直ぐに伸ばされた背中。それは細くて少し不安なくらいに揺らめくようだったが、その実何にも脅かされることなく孤高に立っていた。
 そんな見た目の細さを裏切る強さを持っていたのは知っている。けれど、その手だけは剣を握り、銃を構え、返り血に汚れた充分な陰湿さを知る手だった筈だ。
 そう。それこそ今更、守るだなんておこがましいほどの。

「お前、」

 話しかければヤツは眉根を寄せて、そりゃあもういつもどおりにひどく不機嫌な顔をして俺を睨みつけた。うげえ。元ヤンがマジでメンチ切るなよ。
 顔の造りはやはり幼い。いや。今はすげえ怖い顔してるけど。

「なんか、何だ…」

 言葉が見つからない。何かがおかしいというのは分かっても、一体何がおかしいのかなんて全く分からないのだ。
 感覚的なおかしさ? 別に俺、直感なんて強くないんだけど。
 翠の目は訝しげに俺を見る。白い手は机の上でペンを弄ぶ。会議は堂々巡りで何も進まず、だらだらと冗長な時間が過ぎていっている。
 思い切って手を手に伸ばす。
 触れた瞬間、びくりとヤツは肩を揺らしたが振り払われることは何故だかなかった。
 白く滑らかな肌。ちゃちな玩具みたいな造りで、まさかこの手が幾多の戦場で剣を振るったのかと、そう言われれば鼻で笑い飛ばしたくなる。なんて頼りない手だ。剣なんて振るったこともなければ、握ったことすらないんじゃないかと錯覚させられる。

「何だよ、お前」

 翠の目が俺を見ている。非難がましい。そんな目をされても困る。非難したいのは俺だ。

「何かさー、女の子みたいだ」

 不用意な発言にぶん殴られるのを覚悟したが、ヤツはただでさえ丸い大きな目を更に丸くさせて、俺の顔を見て固まった。あれ、若しかして読み込み不可? 脳内でキャンセルされてる?
 軽く十秒弱、硬直した後にヤツは皮肉に目を細めた。

「流石、変態」


<小>ヘ/タ/リ/アから英と仏。ギリスにょた話をしたいなーという現われで、且つパッと見分からないけどにょた化してるギリス。
女王の国だもの、国王が女王のときくらいにょたになってもいいじゃないか!



○いつかの君へ
 いつか、っていつだよコラ。そんな未来だか過去だか分からない時間平面を想定して話しかけるとか、どうなんじゃ。

 目の前で窓ガラス越しにグラウンドを見つめるヤツは、まるで恋でもしているかのような目だ。

 おいおい。お前のコイビトは俺じゃないんか?
 まあ、恋する目で見られても鳥肌が立つだけなんだけど。甘い言葉とか吐かれてみろ。俺は心臓がショックで止まる。

「おい、原田」

 いつかの君へ? そんなもん糞食らえじゃ。過去か未来かなんて分かりもしないいつかなんて、そんないつか今は要らない。
 そんな遠いのか近いのかも分からないような時間平面、視界に入れていられるほどの余裕はない。自分は高々、ローティーンをやっとこ脱出しただけの若造だ。

「こっち向け」

 今、お前がここにいいてこっちを向けばいいだけの話じゃないか。
 (余裕なんて何処にもないから、お前も余裕なくして俺を見ろ)


<小>ばてりで原田兄×瑞垣。意外に瑞垣さんがキッチリ恋してくれて吃驚した。



○もし夢であえたら
「えっちがしたい」
「お前、その辞書で今すぐ情緒って調べろ」

 広げられた英語の教科書。彼女の手には電子辞書。できるなら今すぐ、そいつで情緒を調べて、それに従え。頼むから。

「だって、夢でもなけりゃそんな大どんでん返しみたいな事態、発生しないでしょ?」
「望みのない恋だって断言するのか?」
「望みがあったら、あいつはロリペド野郎の汚名を着るわね」
「……言い過ぎだよ」

 14歳の年の差は、年下の側からすればかなり大きい。どちらも、20歳を越えれば大して気にもならなくなるんだけれど。
 経験からそれを知っている俺は、不機嫌そうに黙々と本文を訳していく彼女を眺める。
 黒いふわふわとした髪は出会った頃より、随分と伸びた。二つに分けて高い位置で括るという髪型も、一年ほど前にやめて、やわらかな髪は細い背中に広がっている。ただそれだけのことなのに、思えばかなりおとなびた気がする。身長やらは全く変わっていないらしいのに。
 ふと、彼女の小さな体はぺたんと机に張り付く。教科書を顔でつぶすな。インクで汚れるぞ。

「あーもう、夢でもいいから会えればいいよ」

 できたら触りたいし、触って欲しいけど。
 消えそうな声で呟いたそれに突っ込むのはもうやめておく。


<小>現代パラレルのアニス+ガイ(@アビス)
そしてアニス→ヴァンデスデルカ。
アニヴァンいいよ、アニヴァン。みんな書くといいよ!



○夢から覚めたら
 いっそ素晴らしいまでの倦怠感。
 素直な感想は気持ち悪い。清清しいまでに明瞭に二日酔いだった。
 世界が眩し過ぎて目が痛い。太陽が暴力的だ。蹂躙されている気がする。視姦だ。これは視姦だ。圧倒的な力で犯されている。
 しかもここ自分ちじゃねえし。何処だよ、ここ。見覚えはあるけど何処か分からない。
 やたら高価な装飾の部屋。清潔な白いシーツ。レースのカーテンは繊細な造り。

「カークランド卿」

 重厚な部屋のドアを開けたのは、眩しい金髪をきれいに人の手で結わえられた少女。幼い顔立ちだが、完成された目鼻は年齢不相応である。身につけた衣服は簡素ではあるものの、仕立ては丁寧であり高級な品であることが分かる。
 見た顔である。けれど誰かが瞬時に分からない。
 しかし問題はそれではない。誰の家だ。子どものいる家に転がりこんだのか。最低じゃないか。

「まだおねむですか?」

 眉根を寄せて少女が尋ねる。少女らしい潔癖さだ。二日酔いのオッサンはそりゃあ厭なものだろう。そういう少女らしさが自分は結構好きだ。
 金色の髪も、青い目も、自分の好きな容姿である。勝気な目は真っ直ぐで、直視されるのは二日酔いでぐだぐだになっている自分にはツラいものでもあるけれど。

「今日は、歴史をお教えくださる約束ですよ?」
「……あー…………、王女か」
「ちょっと、大丈夫ですか?」

 訝しげな表情を正面から受け止める。
 そうか。王宮か。だからやたら豪華な造りなのか、この部屋は。

「カークランド卿?」
「あー、うん。今起きるよ、王女」
「大丈夫なんですか?」
「大丈夫。ちょっと、ぼんやりしてるだけだ」

 二日酔いになるほど、何故酔ったのかとかそういうことすら分からないくらいに。何故そんなに飲んだのかとか、何故王宮で飲んだのかとかそういうことも丸めて何処かに捨て去っていた。

 (厭ですわ、カークランド卿。あなたのよさは、酒宴の席で約束したこともお忘れにならないところでしょうに)


<小>ヘ/タ/リ/アで英と英/国/王/女(オリジ)
ギリスは外交後、色んなストレスでぐったりしてるのを王がお持ち帰りして酔い潰されたという経緯です。
ストレスの原因はメリーとか、仏兄とか。はたまた西かもしれない(何故)



○一人ぼっち
 は、こういうときには楽だなあって思う。
 間合いだとか、庇うだとか。そういうことを何も考えなくて済む。神経はスッと研ぎ澄まされて、世界は色彩を極限まで失う。それは単純な欠落ではなく、厳しい取捨選択の末の結果。
 右手に握った黒い鉄の塊。複雑な組み合わせに見えて、実のところ単純なパーツを組み合わせた私の武器。命を奪う兵器、私を守る最大の防御。

「それじゃあ、無様に死にさらしなガキ共」

 銃砲を傾けて不適に笑う。
 パァンと、高い音が響く。世界は揺らがず、空気は揺らぐ。眩暈がするほど、真っ黒なスーツも揺らぐ。
 周囲の銃口が真っ直ぐに私を狙う。円形に囲まれている。
 うん。こういうとき、一人ぼっちはすごく楽だ。誰かを守らなきゃとか、そういう雑念は何もなくなる。
 一人ぼっちは楽。肩が軽い。足が軽い。痛みを痛みと思わずに突き進める。

 けれどこうして生きて帰らなきゃって思うのは、一人ぼっちじゃないからだ。


<小>オリジ。なんかマフィアっぽいそれ。
戦うおにゃのこはいい。



○それは突然に変革し
 そして何事もなかったようにあっさりと収束した。
 全てが終わった後の事後処理はひたすら単調で、退屈で冗長である。書面上で片のつく物事は結構多いし、実際に自ら手を加えなければならない点など些少である。

 凝り固まった肩を解す為、ぐっと伸びをする。いやに筋肉が重たく感じる。
 いい加減に疲れてきて、机に顔を横向きにしてぺたりとつける。頬に冷たい、木の感触が伝わる。

「眠い、」

 そうそう劇的な変革なんて起こらない日々は、魔法の粉をぶちまけて上品な紅茶を汚してしまわなくては!
 一緒に楽しむのは硬いスコーンでも水気の多いサンドイッチでもなく、合成着色料満載のゼリービーンズにチープなグミ、そして甘ったるいチョコレート。

 嗚呼、ほら早く! 紅茶の時間だって言って此処に来て!


<小>ヘ/タ/リ/アでメリー。特に何も考えてない話。日常。
魔法の粉=大量の砂糖。メリーは優雅に楽しむ紅茶も嫌いじゃないけど、そんな調和をぐちゃみそにしてしまう方が好き。ギリスを汚すという疑似体験。



○大地よ海よ、
 と、来たら空ですかね?

 そんな一言で、息子の名前は空になった。
 義理の父の名前は大地。夫の名前が海。なので息子の名前は空。
 ううん。実に単純明快。
 しかし存外、空という名前は気に入っている。悪い名前では勿論ないし。

 腕に抱いた息子はまだ小さい。けれど生まれたばかりとは違って、真っ赤じゃなくて白くてすべすべの肌をしている。羨ましいぞ、この。
 黒くて丸い目は世界を興味津々といった様子でくるくる見回す。何もかもが始めて見るもの。その新鮮さも少し羨ましい。
 屹度これから汚れたものも見るのだろうけれど、できれば息子にはきれいなものを沢山見せてあげたい。
 それこそ、日々移り変わるきれいな空を。青に藍、黄色に橙、薄紫。季節、時間によって目まぐるしく変わる色彩。光化学スモックに犯されていない純粋な空の色。オゾン層の向こうにある、眩しい太陽。
 色んなものを見に行こう。たとえば、それぞれの目で見るものが全く違っていたとしてもそれでいい。それでも世界は美しい。


<小>まさか続くと思っていなかった、上(そしてようやく)のオリジ夫妻と息子。今回はお母さんと息子だけだったけど。
なんかとってつけたかのようにいい話に収束させようとしてていやらしいとかは言わないでくれると嬉しいな!

なんとか終了致しましたー。ぱちぱち。
はうあう。これは、もうやりたい方が拾っていってくれれば幸いです。楽しかった! 難しかったけど!
スポンサーサイト
14:06  |  バトン  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

コメントを投稿する


 管理者だけに表示  (非公開コメント投稿可能)

▲PageTop

この記事のトラックバックURL

→http://echoecho99.blog17.fc2.com/tb.php/1389-9e52dd3b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。